健康であること

人生をエンジョイするためには健康が一番大切ではないでしょうか?

健康であることは、人生において大きな資産を 持っているのに匹敵します。一方で、病気になれば大きな支出が伴ないます。月に何十万円ものコストがかかります。この様に考えますと、予防医療の大切さが 重みを増してきます。何億円もの金融資産に匹敵するのが「健康」であることです。健康とは日頃の何気ない行動とつながっています。すぐに車に乗ったり、食 べ過ぎたり、不規則な生活を送ったり・・・・

私の友人のお医者さんは「死ぬその日まで、一人でトイレに行けること。」をコンセプトにして、予防医療に取り組んでいらっしゃいます。(友人に聞けば、その様な人は結構おられるとの事です。朝は元気にしていて、お昼にコーヒーを飲んでいて、昼寝をしているのかな?と思ったら、息を引き取っていた。この様な事例もあるらしいです。)

死ぬその日まで寝たきりにならなければ、誰に迷惑をかける事もありませんし医療コストも掛りませんし、自分の好きな事をして過ごせば良いわけで、趣味にグルメにスポーツに・・・充実した人生が送れます。 (その為には、老後の資金確保も必要です。)

日頃のちょっとした行動を変えるだけで、健康とという資産を手に入れることができます。
ここでは、健康診断の数値の見方と健康増進のためのアクションプランを考えてみます。

健康診断数値の読み方:アクションプランで生活習慣を改善しましょう。

肥満について

基準値 BMI:18.5以上 25.0未満 「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」
BMI(Body Mass Index)は、肥満をはかる目安として使われる体格指数で、25を超えると肥満と判定されます。肥満には、「内臓脂肪型肥満」と「皮下脂肪型 肥満」の2種類があり、内蔵脂肪型肥満の人は動脈硬化が進行しやすく、生活習慣病になりやすいといわれています。

内臓脂肪がメタボリックシンドロームのベースになる。
内臓脂肪型肥満をベースに高血糖、脂質異常、高血圧の危険因子を2つ以上持っている状態がメタボリックシンドロームです。
メタボリックシンドロームは、動脈硬化を進行させ、生活習慣病の中でも死亡や寝たきり、重い後遺症につながりやすい心臓病や脳卒中などの循環器病、失明や腎不全などの糖尿病の合併症の原因となります。

高血糖:空腹時血糖値が110mg/dl以上またはHbA1c5.5以上
高血圧:収縮期血圧が130mmHg以上または拡張期血圧が85mmHg以上
脂質異常:中性脂肪が150mg/dl以上またはHDLコレステロール値が40mg/dl未満

内臓脂肪を減少させるアクションプラン

1 こまめに動く 
掃除やごみ捨て、日頃からこまめに動くことで、基礎代謝量が上がり、太りにくい体質になります。
タニタから「カロリズム」というコンパクト活動量計の機器が発売されています。
(ご参考までに)http://www.tanita.co.jp/products/calorism/index.html

2 1日3食、なるべく決まった時間に
食事の回数を減らすと1回の食事量が増えるなどから肥満につながりやすくなります。

3 食事は腹八分目、ゆっくりよくかんで食べる
一口30回を目標に良くかむことで、八分目でも満腹感を得られます。

高血圧について

基準値 収縮期血圧 130mmHg未満
      拡張期血圧 85mmHg 未満
血 圧の高い状態が続くと、血管壁に強い圧力がかかり、血管壁の内側が傷つきます。そこに脂質などがたまり、血管の内壁が狭くなるなど、動脈硬化が進みます。 また、血管の内壁が狭くなることによって、血流が悪くなり、血管壁の弾力性も落ちてさらなる血圧上昇を招くという悪循環に陥ってしまいます。

高血圧を解消するアクションプラン

1 減塩を心がける
だしや酸味、香味野菜などを上手に活用できれば、塩分控えめでもしっかりした味付けが出来ます。

2 禁煙する
タバコに含まれるニコチンには、血管を収縮させ、血圧を上げる作用があります。タバコは他の多くの病気の危険因子でもあります。思い切って禁煙をしましょう。

3 ストレスとうまく付き合う
強いストレスや睡眠不足は血管の収縮や心拍数の増加を招き、血圧を上昇させます。ストレスをうまくコントロールしましょう。

脂質異常について 

基準値 中性脂肪(トリグリセリド/TG) 150mg/dl未満
    HDLコレステロール 40mg/dl以上
    LDLコレステロール 140mg/dl未満(特定検診では120mg/dl未満)
総コレステロール 140~220mg/dl
脂質異常は血液中に含まれる脂質の量が異常な状態をいいます。増えすぎた資質は、血管壁にたまり、その結果、血管が傷ついたり弾力が失われたりして、動脈硬化が進みます。

脂質異常を解消するアクションプラン

1 運動する
ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめ、毎日少しずつでも継続することが大切です。

2 脂肪を控える
肉、卵(魚卵なども含む)や生クリーム、油脂類を多く使うのは控えましょう。また、調理法も工夫しましょう。油を使わない「蒸す・煮る・ゆでる」料理は脂肪を減らすことができます。

3 青背の魚を食べる
青背の魚(サバやイワシ)には、血管壁に付着したコレステロールを運び去るHDLコレステロールが豊富に含まれていますので、適度に食べましょう。

糖尿病について

基準値 血糖(空腹時) 110mg/dl未満(特定検診では100mg/dl未満)
ヘモグロビンA1c(HbA1c) 5.8%未満(到底検診では5.2%未満)
    尿糖 陰性(-)・弱陽性(±)

飲食によって体内に取り込まれた糖質は、消化吸収されて血液中に入ります。(血糖)
血糖の量が多くなりすぎると膵臓から分泌されるインスリンが適量になるようにコントロールします。糖尿病は、インスリンが不足していたり、作用が足りなかった為に高血糖状態が続く病気です。
糖尿病は、自覚症状が出にくいため、自己判断で放置されることが多い病気です。しかし糖尿病を放置していると、様々な合併症を引き起こします。

糖尿病を解消するアクションプラン

1 運動の習慣を作る
筋肉が衰えるとインスリンが反応しにくくなります。ウォーキングなどの適度な運動を少しずつでも継続できるような生活習慣を作りましょう。

2 バランスのとれた食生活をしましょう
肥満は糖尿病の大敵です。甘いもの、脂っぽいものは程々にし、野菜をたっぷりとりましょう。

3 ストレスを上手に発散しましょう
ストレスを受けたときに副腎から出るホルモンは血糖値を上昇させてしまいます。ストレスを上手に発散しましょう。

肝機能の障害について

基準値 AST(GOT) 30U/ℓ以下
    ALT(GTP) 30U/ℓ以下
    γ-GT(γ-GTP) 50U/ℓ以下
    ALP 65~250IU/ℓ
肝 臓はエネルギーの貯蔵や体に有害な物質の分解・解毒など大切な機能を持ちます。病気になっても症状があらわれにくいため「沈黙の臓器」と呼ばれ、異変に気 づいた時には、かなり悪化していることもあります。検査値に異常が見られた時には、必ず再受検し、詳しい検査を受けましょう。

肝臓をいたわるアクションプラン

1 適度な飲酒量を守り、休肝日をつくる
アルコールは適量を守り、週2日は休肝日をつくるようにしましょう。

2 食べ過ぎに注意する
食べ過ぎると肝臓に余分な脂肪がたまり、肝機能が低下する脂肪肝の原因になります。

3 運動習慣を身につける
継続できる運動習慣を身につけ肥満を予防・解消しましょう。

腎機能障害について

基準値 尿たんぱく 陰性(-)・弱陽性(±)
    尿潜血反応 陰性(-)
    クレアチニン(CRE)<酵素法> 男~1.1mg/dl 、女~0.7mg/dl
腎 臓病の大半は、病状が進まないと症状があらわれません。しかし、そのまま放置していると、慢性の腎不全となり、人工透析などの治療が必要となります。最近 では、糖尿病の合併症である糖尿腎臓病や高血圧が原因の腎硬化症などの発症が増えています。糖尿病や高血圧の人は特に注意が必要です。

腎臓をいたわるアクションプラン

1 暴飲暴食を避ける
糖尿病や高血圧、痛風は腎臓病の原因になります。まず、それらの病気の予防が必要です。

2 風邪をひかないようにする
喉などの炎症を起こす細菌が、腎炎を引き起こすことがあります。
3 休養を十分にとる
疲労は腎臓の負担になります。ゆっくり休んで疲れをとりましょう。

貧血について

基準値 赤血球数 男 400~539×104/ul 女360~4899×104/ul
    血色素(ヘモグロビン(Hb)) 男 14~17g/dl 女 12~15g/dl
    ヘマトクリット 男 38.5~48.9% 女 35.5~43.9%
全 身へ酸素を運ぶ赤血球の中にあるヘモグロビンが減少して、体内が酸欠になる病気が貧血です。中でも、女性に多く見られるのが、無理なダイエットや偏食でヘ モグロビンを作る材料の鉄分が不足する「鉄欠乏性貧血」です。また、胃潰瘍やがんなど重大な病気による出血が貧血の要因となっている可能性もあり、貧血と 判定されたときは、その原因を明らかにすることが大切です。

貧血を解消するアクションプラン

1 貧血を予防する食品を食べる
レバーや卵黄、貝類などには造血作用が、果物、いも類には鉄吸収作用があります。また、緑黄色野菜はその二つの作用を持っています。

2 栄養バランスのとれた食生活を
無理なダイエットは禁物です。インスタント食品や外食を控え、偏食もしないように。